「都に雨の降るごとく」(鈴木信太郎訳)
都には蕭やかに雨が降る。
アルチュール・ランボー
都に雨の降るごとく
わが心にも涙ふる。
心の底ににじみいる
この侘しさは何やらむ。
大地に屋根に降りしきる
雨のひびきのしめやかさ。
うらさびわたる心には
おお 雨の音 雨の音。
かなしみうれふるこの心
いはれもなくて涙ふる
うらみの思あらばこそ
ゆゑだもあらぬこのなげき。
恋も憎もあらずして
いかなるゆゑにわが心
かくも悩むか知らぬこそ
悩みのうちのなやみなれ。
南無阿弥陀仏